海外送金の方法を探そうというとき、事前知識として「選ぶ方法によって手数料の総コストがどのくらい違ってくるのか?」の目安を理解して具体的なリサーチに進むのが近道です。
この記事では、「これから海外送金方法を具体的に決める」という方を対象に、以下のことをご説明します。
本記事の内容
- 50万円を特徴の異なる4つの方法で海外送金するときの総額の送金コストのシミュレーション
- このシミュレーションを主要通貨(米ドル、ユーロ、英ポンド、カナダドル、豪ドル、NZドル)での具体的計算例
本記事を書いた人
- 海外永住ビザを取得しての海外移住経験あり
- 移住や投資を通じて「日本⇒海外」の海外送金を経験
- 帰国後は「海外⇒日本」の海外送金を経験
- 仕事上も小さな会社のCFOとして多様な海外送金を経験
この記事を書いているこまちは、海外送金歴かれこれ20年。いろいろな海外送金を体験してきました。
当ウェブマガジンでは、海外送金・外貨両替・国際派のマネーに関する情報を、わかりやすくご紹介しています。
実際の送金コストは、送金額・通貨・為替レートによって変わってきますが、このシミュレーションを通じて、送金コストの大小の全体的傾向を把握することはできます。海外送金の方法を検討する際のファーストステップとして参考にしてください。
*当記事は、データの日付を個別に明記しているものを除いては、2021年3月時点での情報を参考にしています。各サービスのご利用にあたっては、必ず最新の情報をご確認ください。
主要通貨の送金コストの比較シミュレーション
ここでは、特徴の異なる以下の4つの方法で50万円を主要6通貨で海外送金をする際の送金コストを比較してみます。
当ページでのシミュレーションは傾向を把握する目的のため概算ですので、細かい金額ではなく、全般的な傾向を知るための参考として捉えてください。
また、実際には送金方法によって振込手数料、中継銀行手数料などが別途かかりますし、通貨の種類や金額によって結果が違ってくる場合もあります。
そのため、あくまで一定の条件&情報をもとにシュミレーションした一例に過ぎない点を了解したうえで、ご参照ください。
各サービスをご利用の際には、必ず最新の情報を確認するようにお願いします。
米ドル送金の手数料比較例
米国へ50万円を米ドル送金する場合の手数料計算例
ワイズ (インターネット) |
三菱UFJ銀行 (窓口の場合) |
ゆうちょ銀行 (インターネットの場合) |
ソニー銀行 (インターネット) |
|
送金額 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 |
送金手数料 | 3,261円 | 7,500円 (窓口&口座引き落とし) | 3,000円 (ゆうちょダイレクト) | 3,000円 (優遇なし) |
送金できる金額(両替額) | 496,739円 | 492,500円 | 497,000円 | 497,000円 |
両替レート *1 | 110円 | 111円 | 111円 | 110.15円 (優遇なし) |
受取人の受取額 | 4,516米ドル | 4,437米ドル | 4,477米ドル | 4,512米ドル |
為替手数料 | 0円 | 4,400円 *2 | 4,510円 *3 | 660円 *4 |
手数料合計 *1 | 3,261円【最安】 | 11,900円 | 7,510円 | 3,660円 |
詳細ページ | ワイズの海外送金 | 三菱UFJ銀行の海外送金 | ゆうちょ銀行の海外送金 | ソニー銀行の海外送金 |
*1: 仲値で1USドル=110円の場合の比較例。振込手数料、中継銀行手数料、受取手数料を無視。四捨五入して計算。
*2: (492,500/111 - 492,500/110) x 110 = (4,437 - 4,477) x 110 = -4,400円
*3: (497,000/111- 497,000/110) x 110 = (4,477 - 4,518) x 110 = -4,510円
*4: (497,000/110.15 - 497,000/110) x 110 = (4,512 - 4,518) x 110 = -660円
上記の比較例から、上乗せレートがあるとその分だけ両替レートが高くなっていることがわかります。そのため、表面的な送金手数料に大きな差はなくても、上乗せレートからくる為替手数料を考慮した総額の送金コストでは大きな差が生じるのです。
【ワイズ(旧トランスファーワイズ)について】
上記の計算例からわかるとおり、ワイズには両替時の上乗せレートがありません。そのため、一般的な海外送金で隠れコストと言われる為替手数料がないので、手数料がわかりやすいという特徴を持っています。
送金にかかる日数についても、海外送金にかかる日数の比較にあるとおり、銀行宛ての送金であれば、一番速いカテゴリに属しています。
「安くて速い」海外送金方法を探している場合には、おすすめの選択肢のひとつです。
ワイズの特徴については、下記の記事も参考にしてくださいね。
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【ワイズ(旧トランスファーワイズ)の海外送金】隠れ手数料なしが安心!
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ユーロ送金の手数料比較例
ユーロ圏へ50万円をユーロ送金する場合の手数料計算例
ワイズ (インターネット) |
三菱UFJ銀行 (窓口の場合) |
ゆうちょ銀行 (インターネットの場合) |
ソニー銀行 (インターネット) |
|
送金額 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 |
送金手数料 | 3,181円 | 7,500円 (窓口&口座引き落とし) | 3,000円 (ゆうちょダイレクト) | 3,000円 (優遇なし) |
送金できる金額(両替額) | 496,811円 | 492,500円 | 497,000円 | 497,000円 |
両替レート *1 | 130円 | 131.5円 | 131.5円 | 130.15円 (優遇なし) |
受取人の受取額 | 3,822ユーロ | 3,745ユーロ | 3,779ユーロ | 3,819ユーロ |
為替手数料 | 0円 | 5,590円 *2 | 5,720円 *3 | 520円 *4 |
手数料合計 *1 | 3,181円【最安】 | 13,090円 | 8,720円 | 3,520円 |
詳細ページ | ワイズの海外送金 | 三菱UFJ銀行の海外送金 | ゆうちょ銀行の海外送金 | ソニー銀行の海外送金 |
*1: 仲値で1ユーロ=130円の場合の比較例。振込手数料、中継銀行手数料、受取手数料を無視。四捨五入して計算。
*2: (492,500/131.5 - 492,500/130) x 130 = (3,745 - 3,788) x 130 = -5,590円
*3: (497,000/131.5 - 497,000/130) x 130 = (3,779 - 3,823) x 130 = -5,720円
*4: (497,000/130.15 - 497,000/130) x 130 = (3,819 - 3,823) x 130 = -520円
英ポンド送金の手数料比較例
イギリスへ50万円を英ポンド送金する場合の手数料計算例
ワイズ (インターネット) |
三菱UFJ銀行 (窓口の場合) |
ゆうちょ銀行 (インターネットの場合) |
ソニー銀行 (インターネット) |
|
送金額 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 |
送金手数料 | 3,333円 | 7,500円 (窓口&口座引き落とし) | 3,000円 (ゆうちょダイレクト) | 3,000円 (優遇なし) |
送金できる金額(両替額) | 496,808円 | 492,500円 | 497,000円 | 497,000円 |
両替レート *1 | 145円 | 149円 | 149円 | 145.45円 (優遇なし) |
受取人の受取額 | 3,426英ポンド | 3,305英ポンド | 3,336英ポンド | 3,416.98英ポンド |
為替手数料 | 0円 | 13,340円 *2 | 13,340円 *3 | 1,595円 *4 |
手数料合計 *1 | 3,333円【最安】 | 20,840円 | 16,340円 | 4,595円 |
詳細ページ | ワイズの海外送金 | 三菱UFJ銀行の海外送金 | ゆうちょ銀行の海外送金 | ソニー銀行の海外送金 |
*1: 仲値で1英ポンド=145円の場合の比較例。振込手数料、中継銀行手数料、受取手数料を無視。四捨五入して計算。
*2: (492,500/149 - 492,500/145) x 145 = (3,305 - 3,397) x 145 = -13,340円
*3: (497,000/149 - 497,000/145) x 145 = (3,336 - 3,428) x 145 = -13,340円
*4: (497,000/145.45 - 497,000/145) x 145 = (3,417 - 3,428) x 145 = -1,595
英ポンドになると、米ドル・ユーロ以上に、上乗せレートが大きくなっており、それからくる為替手数料がぐっと高くなります。表面的な送金手数料だけの比較と、手数料合計の比較では、まったく順位が違っているのがわかりますね。
カナダドル送金の手数料比較例
カナダへ50万円をカナダドル送金する場合の手数料計算例
ワイズ (インターネット) |
三菱UFJ銀行 (窓口の場合) |
ゆうちょ銀行 (インターネットの場合) |
ソニー銀行 (インターネット) |
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送金額 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 |
送金手数料 | 3,395円 | 7,500円 (窓口&口座引き落とし) | 3,000円 (ゆうちょダイレクト) | 3,000円 (優遇なし) |
送金できる金額(両替額) | 496,605円 | 492,500円 | 497,000円 | 497,000円 |
両替レート *1 | 80円 | 81.6円 | 81.6円 | 81.45円 (優遇なし) |
受取人の受取額 | 6,208カナダドル | 6,036カナダドル | 6,091カナダドル | 6,178カナダドル |
為替手数料 | 0円 | 9,600円 *2 | 9,760円 *3 | 2,800円 *4 |
手数料合計 *1 | 3,395円【最安】 | 17,100円 | 12,760円 | 5,800円 |
詳細ページ | ワイズの海外送金 | 三菱UFJ銀行の海外送金 | ゆうちょ銀行の海外送金 | ソニー銀行の海外送金 |
*1: 仲値で1カナダドル=80円の場合の比較例。振込手数料、中継銀行手数料、受取手数料を無視。四捨五入して計算。
*2: (492,500/81.6 - 492,500/80) x 80 = (6,036 - 6,156) x 80 = -9,600円
*3: (497,000/81.6 - 497,000/80) x 80 = (6,091 - 6,213) x 80 = -9,760円
*4: (497,000/80.45 - 497,000/80) x 80 = (6,178 - 6,213) x 80 = -2,800円
カナダドルになってくると、米ドル・ユーロで上乗せレートの影響が比較的に小さかったソニー銀行であっても為替手数料が大きくなっているのがわかります。
オーストラリアドル送金の手数料比較例
オーストラリアへ50万円を豪ドル送金する場合の手数料計算例
ワイズ (インターネット) |
三菱UFJ銀行 (窓口の場合) |
ゆうちょ銀行 (インターネットの場合) |
ソニー銀行 (インターネット) |
|
送金額 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 |
送金手数料 | 3,191円 | 7,500円 (窓口&口座引き落とし) | 3,000円 (ゆうちょダイレクト) | 3,000円 (優遇なし) |
送金できる金額(両替額) | 496,809円 | 492,500円 | 497,000円 | 497,000円 |
両替レート *1 | 80円 | 82円 | 82円 | 80.45円 (優遇なし) |
受取人の受取額 | 6,210豪ドル | 6,006豪ドル | 6,061豪ドル | 6,177.75豪ドル |
為替手数料 | 0円 | 12,000円 *2 | 12,160円 *3 | 2,800円 *4 |
手数料合計 *1 | 3,191円【最安】 | 19,500円 | 15,160円 | 5,800円 |
詳細ページ | ワイズの海外送金 | 三菱UFJ銀行の海外送金 | ゆうちょ銀行の海外送金 | ソニー銀行の海外送金 |
*1: 仲値で1豪ドル=80円の場合の比較例。振込手数料、中継銀行手数料、受取手数料を無視。四捨五入して計算。
*2: (492,500/82 - 492,500/80) x 80 = (6,006 - 6,156) x 80 = -12,000円
*3: (497,000/82 - 497,000/80) x 80 = (6,061 - 6,213) x 80 = -12,160円
*4: (497,000/80.45 - 497,000/80) x 80 = (6,178 - 6,213) x 80 = -2,800円
豪ドルとなってくると、三菱UFJ銀行やゆうちょ銀行を使った場合、50万円送金でもかなりの送金コストになってきます。
為替手数料は、基本的に送金額に比例するので、金額が大きくなるほどに、その利用にあたっては送金コストを留意しておく必要があります。
ニュージーランドドル送金の手数料比較例
ニュージーランドへ50万円をNZドル送金する場合の手数料計算例*1
ワイズ (インターネット) |
三菱UFJ銀行 (窓口の場合) |
ゆうちょ銀行 (インターネットの場合) |
ソニー銀行 (インターネット) |
|
送金額 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 |
送金手数料 | 3,252円 | 7,500円 (窓口&口座引き落とし) | 3,000円 (ゆうちょダイレクト) | 3,000円 (優遇なし) |
送金できる金額(両替額) | 496,484円 | 492,500円 | 497,000円 | 497,000円 |
両替レート *1 | 73円 | 75円 | 75円 | 73.45円 (優遇なし) |
受取人の受取額 | 6,801NZドル | 6,567NZドル | 6,627NZドル | 6,767NZドル |
為替手数料 | 0円 | 13,140円 *2 | 13,213円 *3 | 2,993円 *4 |
手数料合計 *1 | 3,252円【最安】 | 20,640円 | 16,213円 | 5,993円 |
詳細ページ | ワイズの海外送金 | 三菱UFJ銀行の海外送金 | ゆうちょ銀行の海外送金 | ソニー銀行の海外送金 |
*1: 仲値で1NZドル=73円の場合の比較例。振込手数料、中継銀行手数料、受取手数料を無視。四捨五入して計算。
*2: (492,500/75- 492,500/73) x 73 = (6,567 - 6,747) x 73 = -13,140円
*3: (497,000/75 - 497,000/73) x 73 = (6,627 - 6,808) x 73 = -13,213円
*4: (497,000/73.45 - 497,000/73) x 73 = (6,767 - 6,808) x 73 = -2,993円
まとめ:トータルの送金コストで比べよう
上記でみたとおり、具体的な計算例で比較してみると、一般的に「送金手数料」と呼ばれている「狭義の送金手数料」が安く見えても(例えばゆうちょダイレクトの場合)、上乗せレートからくる為替手数料を加えたトータルの送金コストで見ると高く場合が多い点に注意が必要です。
上記のシミュレーションは主要通貨の場合ですが、アジア通貨などマイナー通貨になってくるほど、上乗せレートの影響が大きい傾向にあるので、両替レートに反映された為替手数料のせいで、受取り額が想像以上に目減りしてしまします。(つまり、同じ受取額を送るために、より多くの送金資金が必要になります。)
大切な資金を有効に使うためにも、トータルの送金コストで比べて海外送金方法を選ぶようにしましょう。
1回の送金が100万円以下であれば、為替手数料のかからない送金方法として、上記の比較例からわかるとおり、ワイズ(旧トランスファーワイズ)を第一の選択肢として検討するとよいでしょう。
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