FX口座を利用した海外送金では、FX口座を利用して円⇒外貨あるいは外貨⇒円へ替えるときには、FX会社が提供する「通貨両替」あるいは「受渡(うけわたし)」というプロセスによりおこなうことになります。
FX会社が提供する有利な為替レートを使うという点では、「両替」も「受渡」も共通していますが、いくつか重要な違いがあります。
このコーナーでは、FX口座による「両替」と「受渡」の違いを、海外送金の視点から考えてみし)も共通していますが、いくつか重要な違いがあります。
このコーナーでは、FX口座による「両替」と「受渡」の違いを、海外送金の視点から考えてましょう。
尚、 FX会社の提供する両替サービスは、「円を外貨へ替える」「外貨を円へ替える」という点では、広義のいわゆる「両替」あるいは「外貨両替」と同じです。しかし、取引の種類・プロセスは違っています。そのため、このサイトでは、FX会社の提供する両替サービスを「通貨両替」と呼んで、広義の「両替」「外貨両替」と区別して説明をしています。
通貨両替について
「円⇒外貨」「外貨⇒円」の通貨両替は、FX会社によるリアルタイムの為替レートを基準に両替をするもので、コンバージョンとも呼ばれます。
FX会社の口座を利用しますが、FX取引での建玉(ポジション)を持たなくて通貨を替えることができる点に特徴があります。
【通貨両替】
上の図は、円をドルへ両替する場合を表しています。両替に必要となる円貨をFX口座へ入金し、それを両替したい時点でドルへと両替し、ドルのままFX口座から出金をします。
FX取引に独特の証拠金・建玉というった専門知識を必要とすることなく、通常の外貨両替の概念で手続きを進めていくことができます。
これまでにFX取引の経験がなく、海外送金における両替の為替手数料を節約するために初めてFX口座を開設しようという場合には、わかりやすい通貨両替の利用がおすすめです。
受渡し(現受け・現渡し)について
受渡し(うけわたし)では、FX取引(外国為替証拠金取引)を行って、「円を外貨へ替える」「外貨を円へ替える」ことになります。デリバリーとも呼ばれます。
通常のFX取引では、「円⇒外貨⇒円」あるいは「外貨⇒円⇒外貨」というように、決済後には元の通貨へ戻ります。これに対して、受渡しでは、元の通貨へ戻る代わりに、相手通貨の現物を受け取ることで決済取引が完了します。
・現渡しでは、外貨の現物によって外貨の売りポジションを持ち、決済時に円を受け取ることで取引が完了します。
以下に、通常のFX取引と現受の場合の違いを見ていきましょう。
FX取引と受渡の違い
通常のFX取引のしくみ
FX取引では、建玉(たてぎょく)という、「まだ支払い(決済)は終わっていないけれども、将来の売り買いの約束はしている」という状態を経て取引を行っていきます。
建玉は、ポジションとも呼ばれ、買建玉は買いポジション、売建玉は売りポジションとも呼ばれます。通常のFX取引においては、ポジションは反対売買によって決済されます。
FX取引に特徴的な点は、実際の売買額よりも金額よりも少ない金額(=証拠金)でポジションを持つことができる点です。たとえば、上の図においては、円の証拠金を入金してドルの買いポジションを持ち、その後ドルを売る取引により決済が行われて円に戻ります。
ドルの買いの時点と売りの時点での為替レートの差により、為替差益または為替損失が発生します。
現受けのしくみ
現受けでは、決済において反対売買を行う代わりに、外貨の現物を受け取ります。
たとえば、上の図では円の証拠金を入金してドルの買いポジションを持ち、その後に反対取引であるドルの売却を行う代わりに、決済に必要な円貨額を入金してドルを受け取ります。
ポジションを持つ時点での為替レートが使われるので、決済の時点で為替差損益は発生しません。そのため、ポジションを持つ時点での為替の動向をきちんと把握しておくことが重要になります。
また、最初から決済に必要となる円の金額を入金して、買いポジションを持ってすぐに決済をしてドルを受け取るということも可能です。
通貨両替と現受けの違いを理解して状況に合った取引を選ぼう
上記で説明した通貨両替と受渡の違いを整理してみると、以下のとおりになります。
通貨両替 | 受渡し(現受け・現渡し) | |
資金が必要となるタイミング | 両替のとき | 決済のとき |
為替レートのタイミング | 両替時点のレート | 建玉時点のレート |
特徴 | 取引がシンプル 比較的取引単位が小さくフレキシブル |
FX取引の理解が必要 比較的取引単位が大きい 為替ヘッジ的にも利用できる |
通貨両替のメリットと留意点
通貨両替は、海外送金をするにあたって「初めてFX口座を利用する」という方に特におすすめです。メリットと留意点をしっかり理解しておくようにしましょう。
通貨両替のメリットと留意点
- わかりやすい取引:通貨両替は、為替レートも資金が必要となるのも両替時のタイミングのため、シンプルでわかりやすい取引です。FX取引に独特の概念を理解する必要なしにFX会社の提供する有利な為替レートで両替したいという場合に向いています。
- 少額の両替にも対応:通貨両替の取引の最低単位は小さいので、少額の両替にも向いています。
- 受渡しより手数料がやや高めの設定が多い:受渡しの手数料と比較すれば、やや高めの手数料となることが多いです。とはいっても、FX口座を利用した両替と海外送金のプロセスで見たとおり、一般的な銀行送金と比較すると、総額の送金コストを大きく節約できます。
受渡しのメリットと留意点
受渡しのメリット戸留意点
- 為替ヘッジにも利用できる:受渡しでは、資金が必要になるのは決済のときですが、為替レートは建玉をもつ段階での為替レートが利用されます。たとえば、円⇒外貨への両替時で円安へ動いてくことが予想される場合に、建玉時の有利な為替レートを使って外貨を手に入れる、なども可能となります。
- 通貨両替より手数料が低い設定:通貨両替の手数料と比較すれば、やや低めの手数料となることが多いです。
- 取引単位が比較的大きい:受渡しの取引の最低単位は、一般的に通貨両替よりも大きくなっています。
- FX取引に関する理解が必要:通常のFX取引と同様に、FX取引でのスワップポイントの受け取りまたは支払いが発生する点、証拠金が必要額を下回らないようにしておく点など、FX取引の基本をきちんと理解した上で取引きすることが必要です。
利便性の高いFX口座をもつメリットとは?
FX口座を利用した海外送金では、送金する通貨や金額、自分のFX取引に関する理解と慣れのレベルによって、通貨両替と受渡の両方のサービスを提供しているFX口座がおすすめです。
さらに、日本⇒海外への海外送金時の円⇒外貨への両替(通貨両替・現受)に加えて、海外⇒日本への外貨の入金にも対応しているFX口座であれば、たとえば海外口座での株式運用や海外不動産への投資などで、将来的に資金を日本へ戻して外貨⇒円への両替(通貨両替・現渡し)にも利用することができるので、長期的な為替手数料の節約が可能となります。
このような総合的な視点で考えると、セントラル短資FXは、上記の条件を満たし、長期的に送金コストを抑えることにつながりますので、FX口座を利用した海外送金ではおすすめのFX口座といえるでしょう。
セントラル短資FXの通貨両替・受渡については、両替と受渡しのページに詳しく出ていますので、参考にしてください。
セントラル短資FXの特徴については、以下の記事も参考にしてくださいね。
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セントラル短資FXで両替コスト節約【国際派向けFX口座】
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海外マネーラボ的まとめ
通貨両替も受渡しも、FX口座を利用する点では同じですが、ベースとなる取引の種類が異なっているのですね。
どちらの場合でも、FX口座を利用した海外送金では、FX口座の開設と銀行口座の準備が必要となりますので、スケジュール的に余裕をもって準備を進めましょう。
当記事が、FX口座を使って両替をしようというときの理解の助けになれば嬉しいです!